東京都東久留米市の「グループ・中国だい好き」です。中国がだい好きな方々とのネットワーキングを大切にします。


by zuixihuan

会報57号-1(2007年1月9日)

2007年1月9日 57号
「グループ中国だい好き」会報
『中国だい好き』
我们很喜欢中国!
Women hen xihuan zhongguo!

  
新年快乐!
内田 知行
 
 新年おめでとうございます。      
中国の重慶から会員の皆様のご多幸をお祈り申しあげます。
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 と言っても当地の新年は、特別の催しはなにもありません。除夜の鐘も初詣も、お雑煮もお年玉(圧歳銭)もありません。30日、31日がたまたま土・日曜でしたが、学校も事業所や会社も平常通り通学、通勤しました。そして、元旦の1日だけ祝日のところを振り替えて1日から3日までの3連休となりました。おかげで、のんびりとした新年休暇となりました。
 人々は親戚の家に集まって会食をし、マージャンを楽しみます。私たちも茜の母方の親戚の家に挨拶に行ってきました。日ごろ会うことのない親戚の平安を確かめるための交流という意味では、日本の年始まわりと同じです。
 少しは手土産も持参しますが、旧正月の訪問とちがって子供たちへのお年玉を用意する必要はありません。当地では(と言うか中国では)、旧正月(春節)が本当のお正月なのです。

 今年は2月18日が旧暦の1月1日になります。最近は爆竹の使用は各地で規制されています。重慶では、大晦日の2月17日から旧暦1月15日にあたる3月4日まで、午前7時~深夜1時にかぎり花火や爆竹を認めるという市政府のおふれが出ています。
 爆竹は2月13日から3月4日まで、市内1600か所で販売されることになっています。静かな新暦の大晦日とは打って変わって、旧正月の大晦日の夜は花火と爆竹で猛烈に騒がしい晩になるでしょう。
 重慶では、旧正月に湯圓(タンユエン)という中国式のお汁粉をいただきます。ゴマあんの入ったミニ大福を白湯の中に入れてあたためたものです。残念ながら新暦新年には湯圓も食卓に出ません。この師走に逝ってしまった茜の母が、1年前の新年休暇の滞在中に特別に湯圓を作ってくれたことが、なつかしく思い出されます。

 さて、私たちの会「グループ中国だい好き」の2006年は、皆様のご協力をいただいて充実した1年でした。
 2月には山西省の大学からお2人の先生を招いて交流しました。8月には中国映画会を、9月中旬には14人の方々が参加した「山東省の旅」を実施しました。10~12月には「中国の魅力を知る」自主企画の連続講演会を開催しました。
 4クラスからなる中国語教室の経営も順調です。学習者の少なかった入門班も軌道に乗りました。中級班は秋になって徐老師から張老師に先生が交替しましたが、授業は順調に進んでいます。近々東久留米市から転居される徐老師には、長いあいだ本当にお世話になりました(非常感謝!)

 2007年も会員の皆様のご協力をえて、さらに楽しく、さらに内容の充実した活動に取り組みたいと思います。
 どうか今年もよろしくお願い申しあげます。
2007年1月3日 於重慶



自主企画講座
第1回「現代中国の教育事情」を聴いて                     
松岡 伸郎


 講師は新保敦子先生(早稲田大学教育学部教授)、中央公民館で06年10月15日(日)、約3時間、貴重なお話を(ビデオ映写も)聴くことができました。
初めに新保先生の自己紹介:第2外国語として中国語を学び、1980年から長期留学の第1期生として北京師範大学へ。とても暖かく受入れてもらい、生涯の恩師に出会った。恩師曰く、「教師は魂の技術師」と。
続けて延安では陶端予先生に、「学ぶことは喜び」(教育の原点)、「学ぶことは抑圧からの解放」と大きな影響を受けた。その後、主に内陸農村部を回り、中国少数民族地域の教育支援を通して、寧夏回族女性教員養成プロジェクト等にかかわって現在に至る。

新保先生は、現代中国をめぐるキーワードは「格差」である、すなわち
都市>>農村 :たとえば深圳と甘粛省の経済格差は170倍
 沿海部>>内陸部 :経済、教育レベル他
 漢族>>少数民族 :不公平による国内不安の増大
以上のように概観しておいて、詳細な活動報告をされた。その中から印象深い事柄をいくつか紹介します。

1 寧夏回族自治区は甘粛省、陝西省、内蒙古自治区に囲まれた内陸部にある。黄河が区北部を流れ、首都は銀川。区の人口は約500万人、回族は約30%で漢族が多数を占め、日常の母語も漢語だという。
 区南部は黄土高原(標高1500~2000m)で、年間雨量約500mm(夏季に集中)。時折旱魃等災害に襲われる。農民は貧しく、年収は1.5万円位。中国通の日本人は多いが、ここまで入る旅行者は少ない。この日の受講者(30人)中、須弥山(固原の近く)へ行かれた方が1人だけだった。
2 寧夏回族の教育環境
  回族女性の地位は低く、男女が同席することは少ない。早婚で14~15歳で
出産している。結婚前の女児には、たとえ先生であっても男性に会わせたくないと言う。
 未就学児童は1989年に約4万人、93年に約2万人、2003年に約1.5万人と減ってきているが、区南部山地での女児就学率は約6割と低い。
その理由は貧困、宗教、母親の教育水準、子沢山(少数民族には一人っ子政策の規制は緩く、男児ができるまで産む)。さらに学校不足、施設の不備(椅子がなく立ったまま受講)、女性教師が少ない等々。兄の結納金を捻出するため、15歳の幼馴染と結婚せざるを得なかった女児の例もある。
3 寧夏への教育支援について
宋慶齢日本教育基金では、女性のエンパワーメント(自立支援)を目標に、固原民族師範の女子師範生に奨学金等(1995~99年迄に123名)を支給。南部山地女性教師夏期講習を実施してきた。
  その他各団体が、①小学生へ奨学金、②小中学校の建設、③女性識字クラスの支援、④備品(机、椅子、教科書他)寄付等のプロジェクトを実施して、非識字率の改善(1990年32%から2000年23%)に関わってきて、現在も継続中である。
4 寧夏の人々の反応
①村始まって以来の女性教師は、「女の子だって勉強すれば教師になれる」
②将来の夢は女子中学校を建てること
③困った時助けてもらったので、自分も助けたい
 等々、子供たちは将来に大きな希望を抱き、学習意欲は高く、日本の現状とは大違いとのこと。
5 グローバリゼーションと寧夏の教育
 この10年来、小学校にもパソコンが入ったり、英語授業の導入、教師の生活(携帯電話、デジカメ、スカート着用等)の変化もあり、格差拡大の中、教師も子供も負担が増している。中国全土で英語教育熱は高く、寧夏と上海ではどうしようもなく決定的にレベルが違う。これが新保先生の実感ということでした。
6 感想
  新保先生が恩師の教え「学ぶことは抑圧からの解放」を実践するに寧夏回 
 族自治区を選ばれたのは、ごく自然な選択だったようでした。
  沿海部との格差が拡大しようが、内陸部の少数民族にも自立のための教育
 は必須であって、支援の意味を「日中の絆を強め、中国国内の安定と相互理解に寄与する」と力んだ風もなく、サラリと言われたのがとくに印象的でした。
  今後のご活躍に声援を送りたい。回族の人々の日常生活などをもっとお聴きしたいので、可能なら第2、3弾の講演を希望します。


自主企画講座
第2回「現代中国のサラリーマンたち」を聴いて

11月26日(日)1時30分より、中央公民館会議室で、郝(かく)仁平先生のお話をうかがいました。
郝先生は現在、東洋大学経済学部の教授として活躍しておられます。1995年から3年間滝山団地に住み、そのうちの2年間、「中国だい好き」の会の中国語教室で講師を務めてくださいました。
 
1 中国の国民生活と生活水準
 1978年以後、国民生活の指標を示す1人あたりの国民総生産(GDP)は平均10%の成長。2006年は9.4%(日本は2.3%)。GDPは、1978年を100とすると2004年で6.5倍、また消費では5.2倍と着実に伸びている。
 平均寿命は、1980年=67歳から2002年=71歳へと伸びており、医療、衛生、栄養事情の改善の結果が見える。
 生活水準は、先進国(日本、アメリカ、ヨーロッパ)よりは遅れているが、
インド、パキスタンよりはちょっと高く、東南アジア諸国並み。
 国民生活は改善されてきたが、改革のマイナスの側面として、格差の拡大と貧困問題がある。また、国全体の所得不平等の度合いを示すジニ係数が、1988年の38.2%から2001年の44.7%(約0.45)へと上がっている。日本は24.9%(約0.25)。国連では0.45が社会の警戒ラインで、これを超えると社会は崩壊するという。いまの中国はそこまで来ているのが問題。
  
2 改革開放政策のマイナスの側面(格差の拡大、失業と貧困問題)
①上海などの改革開放を先に進めた沿海地域と内陸部の格差、②都市部と農村部の格差、③都市部内の格差(富裕層と貧困層)、の三つの格差が拡大。
国有企業の従業員数が92年=4521万人だったのが、2002年=2424万人。
約2100万人がリストラされた。
中国の失業統計では、2002年の失業率は4.3%(公式)だが、実際は8.5%ぐらい。レイオフ(下岡シアガン=一時帰休、国有企業との契約はまだ維持しており、生活給は受給)と出稼ぎ労働者をいれると20%を超える。
農村からの出稼ぎ労働者は約1億2000万人ぐらいだが、資料はない。戸籍制度により彼らは都会にいっても正式社員になれない。都市部では豊かな層と貧困層(失業者、貧困救済者)の二極分化があるが、さらにその下に出稼ぎ労働者がいる。
国連の基準では貧困ラインは1人1日当たり1ドル。2001年の中国では約2億1000万人で、人口の16%。中国の基準では年間所得625元が救済必要ラインで約3000万人、全人口の2~3%となる。  

3 都市部における社会階層の二極分化
「先富論」による市場化改革の進展により、私営企業経営者、IT技術者、外資系企業従業員などで、ニューリッチと呼ばれる階層が台頭して上層を形成(100万元ぐらいもっている。日本の感覚でいうと1億円ぐらい)。失業者、農村からの出稼ぎ労働者などが下層を形成。  
  中国社会科学院は2001年、中国社会をつぎの10の階層に区分した。
①国と社会の管理者、②一般管理職、③私営企業オーナー、④専門技術者、
⑤事務員、⑥自営業、⑦商業・サービス業従業員、⑧産業労働者、⑨農業勤労者、⑩無職・失業・半失業者。
そして、中国の社会は、①~⑦までの合計が30%、⑧から⑩までが70%の「ピラミッド型」だとした。

4 中国の中産階級とは
大学卒。月収5000元(7万5000円)以上のサラリーマン=白領バイリンや知識
人など。主要都市部で約1割の4000万人(急速に増加する傾向にある)。
彼らのライフスタイルは、①職場(「単位」)からコミュニティ(「社区」)へ。②月光族(月末までに給料を使い果たすサラリーマン)や、新三種の神器(3M=マンション、自動車、携帯電話)の登場。③余暇をインターネット(都市部では4割)や旅行(国内旅行者は延べで9億人、海外旅行も1000万人を超えている)で楽しむ。④哈日族ハーリーズウーと呼ばれる日本の流行歌手に熱狂する若者たちもいる。
彼らはブランド志向で、日本車、デジカメ、携帯電話などの人気は高い。

5 社会階層の分化が中国社会にどのような影響を与えるか
① 貧富の格差の拡大が社会不安定の要因になるが、
② 安定志向の中産階級は、政治のことより自分の生活を豊かにすることを優先するので、社会にとって「安全バルブ」の役を果たす。
③ サラリーマン、知識人などの中間層の増大で、民主主義が発達する。

 結論としては、現在の「ピラミッド型社会」から、中間が大きく両端(富裕層と貧困層)が小さい「オリーブ型社会」になることが望ましい。それが、中国政府がいう調和型社会(和諧社会)の姿でもある。問題は農村部と出稼ぎ労働者にあるとのお話でした。             
 (文責・編集部)
     
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by zuixihuan | 2007-05-27 17:58 | 会報 | Comments(0)