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今年は呉清源が話題の人に

【投稿者】 nishi
【タイトル】 今年は呉清源が話題の人に
【内容】桐山桂一「呉清源とその兄弟 呉家の百年」を読んで
     (岩波書店、2005年4月、本体2400円)

この本は、いま、小田原に住んでいる棋士・呉清源を中心に呉家の男3兄弟の生き方をまとめています。あの有名な「宋家の3姉妹」にちょっと似ています。

この本の中で「一人は家族のために生き、一人は祖国のために生き、一人は己の才能のために生きた・・・・・。」という叙述があります。執筆者は意識的にその3人三様の生き方を徹底取材しており、アップテンポなストーリーの進め方に334ページの大作をあっという間に読み終えることができました。

1928年、母親、兄とともに日本に棋士留学した呉清源はその当時まだ14歳。その14歳の呉清源の囲碁人生を時代の流れに重ねながら叙述しています。そして、90数歳になった今も囲碁の研究をしているというので猛烈に呉清源に興味を持ちました。また、この本は100年近い日中関係についても3兄弟を通して歴史叙述しており一気に本にのめり込ませる魅力を持っていました。

この秋に、田壮壮監督の「呉清源 極みの棋譜」が一般公開されます。先日、ここの配給会社の方からこの映画の話を聞く機会がありました。私は囲碁をまったくやりませんし、呉清源についての知識も無いので、まず、この岩波書店の「呉清源とその兄弟 呉家の百年」を読みました。久しぶりに時間を忘れさせる本でした。

by zuixihuan | 2007-07-24 06:21 | 読者の投稿