東京都東久留米市の「グループ・中国だい好き」です。中国がだい好きな方々とのネットワーキングを大切にします。


by zuixihuan

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成都便りー6



成都便りー6

中国だい好きの皆さん:


お元気ですか。


今学期も終わり、今成都の名残を惜しんでいるところです。10人いたクラスも最後の出席者はイタリア、ルーマニア、タイと私の4人です。

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川師大学も各所で卒業写真を撮影しており、また学生の大移動で臨時の郵便局が大繁盛です。 

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初めて生活する都市は右も左もわからないところからスタートですから、中々楽しいです。到着すると、先ず宿舎で値段交渉をして部屋を決めて、インターネットの接続確認をします。宿舎によっては電気ポットとテレビ以外何もないところもありましたが、四川師範大学の宿舎は校内にありますのでホテルの看板は揚げていませんが、ホテル並みの運営をしており、冷蔵庫も付いています。次に銀行を確認して、スーパーに日常品の買出しに行きます。宿舎で一息ついたら、校門とその周辺、校内の食堂や商店、郵便局等を確認します。此処まで来ますと少し落ち着きます。

 翌日、銀行で両替して、入学手続きとビザの申請手続きをし、クラスと教科を確認すると学校の手続きも終わりです。そこで新聞スタンドで市内地図とバスの路線小冊子を買い、自分の居場所や近くの停留所を通るバスで何処に行けるか、じっくり調べます。

全ての地名が初めてで馴染みがありませんので、初めは実際に行ってみないと覚られません。今回は授業が始まるまで1週間ありましたので、2か所のイトーヨーカ堂と伊勢丹と本屋を先ずは確認です。

 授業が始まり、5月1日のメーデーまでの2か月は授業についていく期間で、真面目に予習をやります。この期間を過ぎますと、教科書と先生の教え方にも慣れますので、そろそろ授業をサボって遠出の旅行をしたくなります.端午の節句を過ぎますと、クラスの学生も半分以下になり、惰性で授業に出ているような感じになります。

 

成都盆地は平坦で広く、都市計画とインフラ整備が良いバランスで進んでおり、今も盛んに不動産開発が行われていますが、落ち着いた住みやすい都市です。トヨタ、ホンダ、マツダ、フォード、ホルクスワーゲン、GM、プジョー等の自動車工場やのフォックスコン等の大型の情報機器や電気の組み立て工場が多く、生産活動も活発です。重工業が少なく組み立て工場が多いせいか空気の汚染も自動車の排気が主で余り気になりません。主要物流は上海から長江を溯り、重慶で陸揚げし陸路で成都市内と結んでいるようで、郊外に大型の保税倉庫もあります。


車は多いのですが、主要道路が大体片側3車線で、その外側に自転車専用車線と歩道があり、郊外では更にその外側に広い緑地帯があります。

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他の都市と違うのは歩道側の1車線が市内バス専用路線で一般車が入って来ないのと、一般車も抜きつ抜かれの我先の運転をしていません。東西、南北の地下鉄が開通していますが、市民の足はバスです。市バスはラッシュ時でもスムーズに運行しますので、気分が良いです。今盛んにマナーキャンペーンをやっていますが、バスの乗車も割り込みは少なく、若者は年寄に席を譲ります。道を歩く人もゆったりとしていますので街に出てイライラすることが有りません。北京等の都市では、高速道路でナンバープレートの末尾番号の奇数偶数で利用制限をしているそうですが、成都では一寸厳しく月曜日は1と5、火曜日は2と6、というように規制し、平日の渋滞を分散しているようです。

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7年前女学生は殆どジーパンでしたが、此処ではミニスカートかショートパンツです。街に出ても皆良い服装をしており、貧困や格差を感じません。商品も以前は安かろう悪かろうという商品と良いけど高いという商品の両極端でしたが、最近は値段も手ごろで良い品質の商品が増えています。イトーヨーカ堂のバックや靴、衣料品は日本より品ぞろえが多いです。ユニクロの衣料品も70元(1,000円)程度の品揃えです。


四川料理は辛いので有名で、夏でも火鍋が繁盛していますが、唐辛子の入っていない料理もあり、我々も特段困りません。また、イトーヨーカ堂と伊勢丹には、日本人が作るパンや惣菜が有り、レストラン街には日本のテナントが入っています。価格帯を現地価格にしていますので、比較的安くて美味しい料理が食べられます。また、近くにケンタッキーがあり、モーニングサービスはハンバーグと珈琲で10元ですので、授業が早く終わる日や休日の午前中は煙草の吸えるベランダで予習をやります。


四川省は北に秦嶺山脈があり、三国志でも諸葛孔明の蜀と曹操の魏とが、秦嶺山脈を越えて互いに攻め込むために川の絶壁に掛けた狭い桟道を使って何十万の兵を移動させる話が出てきますが、今もその遺跡が残っています。また、毛沢東率いる紅軍の長征も直接陝西省に入れず甘粛省を回って延安に行っています。中国は秦嶺山脈を境に北方と南方に文化圏(食文化の違いで良く使われます)を分けますが、この山脈は黄河と揚子江の分水嶺でもあます。

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四川省は北西にヒマラヤ山系の5,6000m級の山が連なり、川が網の目のように北から南に流れています。四川と言うからには大きな川が4本あるのだと思いますが正確には良く判りません。西のチベット自治区との境を金沙江が流れ、その東に有る雅砻江攀枝花で金沙江に合流します。更にその東を流れる大渡河は楽山で岷江に合流します。岷江は九寨溝辺りに源を発し、都江堰で成都盆地に入り、宜宾で金沙江に合流します。金沙江は此処から名前を長江と変えます。更に成都の東を流れる沱江泸州で長江と合流し、重慶に流れていきます。四川の川は殆ど長江に流れ込みます。


岷江は古来暴れ川で、紀元前3世紀(秦代)に都江堰で流域を分散する大掛かりな治水工事を行い、蜀の繁栄をもたらしています。この岷江と大渡河が合流するのが楽山で、楽山大仏は唐代にこの暴れ川を鎮めるために造られたものです。岷江は川が暴れるだけでなく、2008年の四川大地震はこの上流部です。

川は水運のみならず川沿いに道が作られ、四川省の主な地方都市は川の合流点です。1986年に成都の北40kmに三星堆遺跡が、2001年に市内北方に金沙遺跡がそれぞれ発見され、黄河文明に匹敵する長江文明の存在が注目されています。時代は新石器時代(5、6000年前)に遡りますが、子安貝や象牙が発見されており、古代インドと交易した西南シルクロードの存在を裏付けるものとして盛んに研究されています。西周時代(紀元前3世紀頃)の青銅器は他に類を見ない造形です。鋳造技術は中原から伝わったようですが、造形や用途は独自です。

半年足らずですので、遠くは四姑娘山と丹巴しか行っていませんが、機会があれば、川が合流する地方都市や北西部の甘孜(カンズチベット族自治区)と阿坝(アバチベット族自治区)に行ってみたと考えています。


成都の芸能と言えば川劇と変面(变脸)です。川劇は300年、変面は100年の歴史があります。変面はそもそも農民が野獣を威嚇して追い払うために顔に彩色したことに始まるそうで、清末に川劇の一場面の演目として取り入れられ、何度かの衰退期を乗り越え今に伝えられています。現在は成都市が川劇芸術学院を設立し、役者の育成と公演、研究、保護、伝承、普及に努めています。

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宽窄巷子や錦里の茶館では35元位で茶芸と変面を楽しむことができますが、川劇の専用劇場は文化公園近くの蜀風雅韻と春熙路近くの錦江劇場の2か所があります。

成都も最後ですので、空港に迎えに来てくれた劉さんを誘って錦江劇場に行って来ました。錦江劇場は成都市が出資する成都川劇芸術中心の施設の一部で、舞台のある茶館を併設しており、開幕まで此処でお茶を飲んで待ちます。劇場は300席ぐらいの一般の劇場造りで、2階の舞台よりに囃子が陣取っており、奈落や空中芸の仕掛けがあります。

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劇の内容は伝統芸と雑技と現代舞踊を混ぜ、3D等の映像を取り入れた現代風な演出になっています。序幕は三国志の劉備、関羽、張飛と呂布の戦いで始まり、劇は「紅梅閣」という3幕の恋愛悲劇の中に、手の影絵、吐火、人形劇等の雑技を織り込み、最後に5人の変面をやります。伝統芸を見るというより、オリンピックの開幕式の様な迫力があって楽しい内容でした。変面は国の第二級機密に指定されており、劇場内は撮影禁止です。カメラを構えるとすぐに手元にレーザービームが飛んできます。この速さ的確さは中々の腕前です。


来週帰国します。

また、皆さんの仲間に加えてください。

再見!

2014年6月29日

長尾圭介


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by zuixihuan | 2014-06-30 08:44 | 成都便り | Comments(0)


第5回中国を食べ、日本を歩こう
「四川料理と台湾・故宮博物院展」

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by zuixihuan | 2014-06-26 13:04 | 催し/企画/情報 | Comments(0)
2014年 中国の魅力を知る講演会 第1回
敦煌蔵経洞で発見された仏教絵画

砂漠の大画廊と呼ばれる敦煌莫高窟から歴史文書をはじめ、絵画や工芸品などが大量に発見されました。今回の講演ではこれらの絵画をもとに、当時の敦煌の人々がどのように仏画を製作し、配置したのかを解説します。

講師   勝木言一郎先生 東京国立博物館学芸企画部企画課出版企画室長
日時   6月22日(日)13:00~16:00     
講演   13:30~15:00(1時間30分) *2時より休憩=5分        
                     プロジェクターを利用します。   
質疑応答 15:10~16:00   
会場   東久留米市西部地域センター講習室2(定員27人)   
問合せ  川村隆子 471-3960  ronzi-886@kvp.biglobe.ne.jp   
*講演会終了後、付近の喫茶店に場所を移して懇談会を行います。 


勝木先生は6月17日(火)、東京国立博物館で西域の美術についてお話をされます。当日受付ですので、ご都合のつく方はぜひお出かけください。
●東京国立博物館・ギャラリートーク 
人の頭を2つもつ鳥の話トーハクには、共命鳥(グミョウチョウ)という人の頭を持つ鳥の像があります。 西域で収集されたこの不思議な鳥について解説します。
日程   2014年6月17日(火)
時間   14:00~14:30
会場   東洋館‐TNM & TOPPANミュージアムシアター
講師   勝木言一郎(出版企画室長)          
(東京国立博物館 催し物 ギャラリートークより 転載)

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by zuixihuan | 2014-06-16 05:30 | 催し/企画/情報 | Comments(0)

中国語教室 生徒募集

主催・中国だい好き


中国語教室 生徒募集
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by zuixihuan | 2014-06-13 13:23 | お知らせ | Comments(0)


成都便りー5(四姑娘山と丹巴


中国だい好きの皆さん:

 お元気ですか。

東京も暑いようですが、成都も先週から気温が急に上がり、最低気温24度、最高気温34度と蒸し暑くなってきました。日中に出歩くとジットリ汗ばみます。

 先週末、昆明に留学中の西安交通大学以来の友達である沖縄出身の新城さんが成都に遊びに来ましたので、一緒に成都の北西約350kmに位置するチベット族(藏族)が住む「四姑娘山と丹巴」に5泊6日の旅行に行ってきました。


 中国の大きな都市では、汽車や長距離バスの切符をターミナル以外に街の販売所で買うことが出來きます。成都では汽車のチケット(火车票)の販売所は良く見かけますが、長距離バスのチケット売り場がありません。聞きますと、「红旗连锁」という国営の小型スーパーマーケットが至る所にあり、此処で身分証明書(身份证)と銀行カード(银行卡)があれば誰でも購入することが出來、大変便利になっています。但し、外国人のパスポートでは購入できません。成都の長距離バスターミナルは14か所あり、予定している行先はインターネットにも乗っていないので、確認を兼ねバスターミナル(茶店子客运站)に三日前に買いに行きました。


 四姉妹山(四姑娘山)はアバ・チベット族チャン族自治州小金県日隆村(啊壩藏族羌族自治州小金县日隆镇)で、 チベット高原の東縁に位置し、2006年に世界遺産に登録されたジャイアントパンダ保護区の一部の自然保護区・風景名称区です。南北15km程の間に大姑娘山(5355m)、二姑娘山(5454m)、三姑娘山(5664m)、四姑娘山(6250m)の4つの山が連なり、それを挟んで東側に海子溝、西側に長溝、その西側に双橋溝が有ります。東西20km、南北40km程の広大な自然区で、周囲に5、6000m級の山が連なり、高山湖、森林、草原が分布している桟道を歩いて自然を堪能するトレッキングコースです。


ダンバー(丹巴)はガンゼ・チベット族自治州丹巴県(甘孜藏族自治州丹巴县)に有ります。ギャロン・チベット嘉绒藏族)が住み、隋書に「東女国」として記録されている長く女王が支配した古くからの土地で、山間部に独特の石積みの民家や高い塔(碉楼)を持つ集落が点在する景色の美しい処です。また、美人が多いことから、10年ほど前に観光向けに付けられた「美人谷」の地名が広く知れ渡っています。

また、東北から流れてきた三つの川が小金で合流し、西に流れ、丹巴で大金川に合流します。大金川は丹巴で更に4つの川と合流して下流部は大渡河となり、楽山で岷江に合流します。1935年に長征途中の中国工農紅軍一方面軍(毛沢東指揮)と四方面軍が出会った「大渡河」がこの地で、小金・丹巴ともに革命の聖地となっています。

朝4時半に起き、5時に宿舎を出発しタクシーで茶店子バスターミナルに行き、6時半小金行バスに乗りました。外は小雨です。高速道路に入り都江堰を通ったところまでは覚えていますが、いつの間にか寝てしまいました。「地球の歩き方」も「中国の旅行案内書」も、直接四姑娘山のある日隆镇に行く道は2013年4月の雅安地震で道が寸断されて通れないと書いてあり、大きく北側を回って小金まで7時間、其処でバスを乗り替えて2時間、合計9時間の長旅と覚悟していました。


 1時間半ほど経ったところでバスは上下左右に大揺れで目が覚め、外を見ると川沿いの山道で、凹凸不平坑坑洼洼で水のたまった穴ボコだらけ、川側は崩落し、山側は崖崩れで狭いところは大型車が1台やっと通れるくらいの凄いところを走っています。道路地図を持ってこなかったのと半分寝ぼけていたので事情が良く判らないでいると、30分程でバスが止まってしまいました。先の渋滞原因の場所まで行ってきた運転手の話では、1台しか通れない狭い場所で大型貨物トラックが故障しているということです。中国の高速道路で事故車などにより一度渋滞すると何時間でもただ待つしかないことを何回か経験していますので、別に焦りません。


1時間程で動き出しましたが、現場では故障車はそのままで、その山側に新たに車が1台通れる道を作っていました。いかにも中国です。

 更に1時間ほどガタガタ道を走ると急勾配の登り坂に差し掛かり、登れば上るほど霧が濃くなりノロノロ運転です。1時間程で峠越えでましたので、高度計を見る4300m有ります。山を下って30分程で天気は快晴、しばらく見ていない真っ青な青空が見えてきました。

人家のあるところに通りかかると「长坪沟入口」の看板があり、何人か降ります。考えていた道と違う道を走っていることが未だ判らず、5分程走った処でまたバスが止まりました。運転手に日隆镇かと聞くとそうだと言いますので、慌てて降りました。今年初めに道が開通していたのです。事故車と霧で2時間遅れて8時間かかりましたがラッキーです。未だ寝ていたら更に2時間の道を往復するところでした。


 宿は予め電話で予約しておいたユースホステル(阳光熠青年旅舍)で、ツインルームが1泊90元です。バス停から50mほどの便利な場所です。標高は3600mでセーターが必要です。

 日隆は人口200人で、集落は我々の宿がある三叉路周辺と长坪溝入口周辺の二か所です。2006年の世界遺産登録に向けて建て替えたようで新しく綺麗な村です。現地の人は、道を行く人もバイクで通りかかる人も皆、我々旅行者に笑顔で手を振ります。話しかけるととても穏やかです。

 长坪溝の入口にあるもう一つのユースホステル「日月山荘」には観光情報があるようなので当初泊まりたいと考え電話をしたのですが通じず、上記のユースにしました。先ずは日月山荘に珈琲を飲みに行き周辺の様子を見ることにしました。

日月山荘の大家が村長で、やはり遊覧や登山の情報拠点になっていました。四姑娘山の最高峰(6250m)は1981年に同志社大学隊が南東陵から1992年に広島山の会が南壁から初登頂しており、日本人にも馴染みのある土地ですが、最近日本人の観光客が多いのは、大川健三さんに依るところが大きいようです。コンピュータ会社に勤める国際的な秘境冒険家だったようですが、2000年の退職してこの地に住み世界遺産管理局特別顧問として村の観光開発に大きく貢献され、更に写真家として世界に現地情報を発信しています。因みに地球の歩き方の四姑娘山と丹巴の写真、文章は大川さんが寄稿したものです。残念ならら今回は大川さんにお会いできませんでした。

 2、3時間の散歩コースとして、川を挟んだ向かいの小高い山を教えてもらい、早速出かけました。特に特徴のない小山だと思っていましたが、中に入るとシャクナゲ、芥子、芍薬の原種が至る所に咲いており、馬が放牧されています。急に高地に来たので登りは厳しく、途中で引き返しましたが、村が既に高山だということを実感しました。

 

 二日目は、渓谷の奥まで自動車道が整備され周遊バスが走る双橋溝に行くことにしました。日隆镇から双橋溝までは2時間に1便走る小金行のバスに乗って10分2元です。7時半のバスに乗ろうと思ったら、宿の女将が朝は寒いので9時半のバスで行けと言うので、ゆっくり出発です。天候は快晴です。双橋溝は氷河の浸食でできた渓谷で、両側に急峻な岩峰がそそり立っています。道路周りは林と草原が広がりますが、高原湖や渓流は殆ど見えません。所々に道路から渓流沿いや高山湖に入る桟道が有ります。登山口から渓谷の奥(紅杉林)までは35km有り、バスは主要な景観ポイントで2,30分停車し、何度乗っても良い仕組みになっています。


 我々の乗ったバスは、途中1か所渓流と沙棘(shaji;針葉樹で実は中薬やジュースにします)の大木の有る処で止まりましたが、先ずは奥まで行って帰りに景観地でまた止まるようです。最高地点は標高4300mでカール状に抉れ、周囲に5千m級の雪山が幾座もあり、真っ青な空に聳えている風景は最高です。我々は乗ってきたバスに乗らず、次のバスに乗ることとしてゆっくり歩いて下山することにしました。

高山ですので登りは厳しいですが下りは緩やかな勾配ですので平地を歩くのと同じで問題は有りません。道路の周辺は標高が高いので、シャクナゲは無く、高山植物と沙棘の林が広がっています。時期が少し早いようですが桜草も咲いています。周囲の景色を見ながら歩くだけで景色を堪能できます。5km程歩いて、持ってきたパンで昼飯です。下りとはいえ高地ですので、少し疲れ、バスが来たら乗ろうと思っていましたが、客が少ないのか一向にバスが登って来ません。其のうち紅杉林に停まっていたトラックが降りてきましたので、乗せてもらいました。植栽をして来たという事でしたが、何を植えたのか良く判りませんでした。登山口に帰ってきたのが2時半です。初日はこの位にして明日に備えることとしました。日隆镇行のバスが丁度通りかかり、都合よく宿に帰ることが出来ました。

 三日目は、長溝です。やっと四姑娘山が見えると期待していたのですが、生憎の曇り空で山には霧が掛かっています。日隆镇の食堂は何処も9時半開店で、宿の麺は口に合わず、先ずは日月山荘に行き珈琲を飲みながら残りのパンを食べることにして7時半に宿を出発しました。


溝の周遊バスは日月山荘に行く途中にある遊入センターから出発ですので気は楽です。9時ころ入場券とバスのチケットを買って乗車ですが、10kmほど行ったラマ寺院までで、後は桟道の歩きです。最終のバスが5時という車掌の話だけ聞いて山に入りました。

 木製の桟道はきちんと整備されていますが、並行して走るはずの馬道は石ころだらけで何処が道か良く判りません。初めは急な下りですが、しばらくすると桟道の勾配も緩やかになります。周りの山が見えないのが残念ですが、日本の奥入瀬渓谷を歩いているような感じで、渓流と緑と高山植物の綺麗な渓谷です。我々は桟道の中間地点位まで行って引き返しましたが、二か所の滝と上高地の様な池の中に枯れた樹が生えている「枯树滩」は素晴らしい景色でした。

溝は正確には判りませんが、距離が30km程あり、その中間点辺りまで桟道が整備されています。この中間点辺りにキャンプ場があり、最上部を目指す人は此処で1泊するようです。我々はこの高地でどれだけ体力が持つのか良く判らないので、桟道の中間点辺りで引き返しました。バス乗り場が3時でしたので、大体6時間ほどのトレッキングでした。次に来た時には桟道の上部まで行けるかもしれません。

四日目は丹巴への移動です。7時半のバスに乗って小金まで2時間、朝食は小金です。其処から7人乗りの乗合タクシーに乗って2時間、街の入口で地元の小型タクシーに乗り換えです。街にはタクシーは沢山あるのですが、道が狭くすべて小型ばかりです。宿を決めてなく先ずはバスターミナルに行って帰りのチケットを確保することにしていたので、運転手に降りるのは「バスターミナル、長距離バスの発着場」といくら言っても通じません。仕方なく、地図にあるターミナル近くの宿「美人谷賓館」を言って降ろしてもらいました。1泊100元の程々綺麗なホテルでしたので、荷物を置き、話の通じなかったターミナルを探しに行きました。街の人に聞いても最初は判らず、「明日成都に帰るのでバスのチケットを売っているところは何処ですか」と丁寧に話してやっと通じました。名称は「县运站」でチケットを売るだけの事務所です。バスの乗降は近くの幹線道路ということでした。


時間が早いので、丹巴の南にある「中路」という村落に行くことにし、往復150元でタクシーをチャーターしました。

中路は丹巴に5,6か所ある大きな村落の一つで、急峻な山道を500m程登った山の中腹に古い集落があります。道幅が狭く小型車がやっと通れるでこぼこの急な道です。川沿いの幹線道路周辺から家は点在していますが、高い塔が有る古い集落は山の中腹です。運転手に何故こんな高くて不便な場所に住むのかと聞きますと、一つは外敵からの防御のため、もう一つは水が豊富で土質が良く作物が良く育つからだと言っていました。確かに山頂まで緑が生い茂り、道端にも梨、林檎、桃、さくらんぼ、胡桃の樹が植えてあり、畑は狭いが実りは豊かな場所のようです。


 山頂にタルチョ(チベットの五色祈祷旗)が翻っているところが何か所かあります。すべて神山だそうです。帰り道で野菜を収穫し市場に売りに行くという民族服の女性を乗せましたが、22,3歳かと思い年を聞くと27歳だそうで、色白でチベット族とは思えない美人でした。街中を歩いて改めて女性を見ると同じような瓜実顔で鼻が高く色白の美人が多く、美人谷の謂われも納得できます。女性は大体18歳で結婚するそうです。

気の良いギャロン・チベットの若い運転手でしたので、翌日1日400元で車をチャーターすることとしました。


丹巴の街は、人口2000人程(丹巴県の人口は5,6万人)で、川沿いの狭い場所ですが賑やかで活気があり、小型車ばかりですがタクシーも頻繁に往来しています。商店や市場も多く、食堂も朝6時半からやっているそうで、朝食、夕食の心配はありません。また、パン屋も成都の普通のパン屋と変わらない品揃えです。

五日目は、30km程北上した「巴底」まで行き、帰り道を「巴」「甲居」の三か所を1日かけて遊覧しました。何れも山の中腹に2,30戸から5,60戸の集落が点在し、石造りの家は屋上の四隅に角の様な飾りをし、特に窓の装飾に家々の特徴があります。対岸の集落は吊り橋で幹線道路と繋ぎ、小型車なら通れるようです。

は幹線道路沿いに松安寺という金ぴかのラマ教寺院が有り、信仰が盛んなことが伺えます。山の中腹に比較的平らな土地があり、畑の奥に「土司館」が有りました。写真を撮っていたら、近くに住む老人が、自分の庭が一番の撮影ポイントだといい、我々を招き入れてくれました。聞きますと建物は元代のもので、清代まで使われていたという事です。「土司」と言うのは元代以降中国の周辺諸民族の族長に中国王朝が与えた知事の様な称号で、この建物が族長の住まいだったことが判ります。

畑には小麦とトーモロコシとジャガイモが植えてあり、小麦の収穫は1か月ほど先で、他の地域より遅れています。


土司館を巡って住居の密集している処に行くと道幅は2m位で、車の入れないところもあります。大きな音で音楽が聞こえるので行ってみると小学校で、丁度子供の日の行事をする様です。生徒は4人先生3人、それに30人程の村人が集まっていました。主に年寄ですが女性は皆方錐形の糸紡ぎ器を持ち、羊の毛で糸を紡いでいます。男性はノンビリ煙草を吸っています。何とも長閑なところです。


向かいの山の中腹に10件ほどの家があり、道も何処を通っているのかわからないほど急峻なので、運転手に聞いてみましたら、100年ほど前までは人が住んでいたが、今は空き家という事です。石造りですので、100年放置していても遠くから見ると他の家と変わらない景色です。

昼時ですので運転手に何処か食堂に連れて行ってくれと頼みましたが、三つの村落共に食堂も売店もないと言うことです。仕方なく吊り橋の傍で、持参のパンとクッキーとバナナを分け合って昼食としました。

四か所の風景はそれぞれ特徴があるのですが、同じような処も多く、どれが何処の景色か記憶が混同してしまいます。ただ、丹巴の街は漢族も入っているので他の都市と同じようですが、村落では日隆镇と同じように人は穏やかで、タクシーで通っても皆手を振ってくれます。観光ズレはありません。独特の風景と風俗は一度見る価値が有ります。少し早いですが3時に宿に帰って明日の長旅に備え休息です。

六日目は朝7時のバスで成都に帰ります。当初の情報では康定、雅安経由で8時間かかる成都行と聞いていたのですが、来た道を逆走する小金、日隆镇経由で8時間の道のりでした。来る時に越えた4300mの峠は金山で、霧のため辺りは見えませんでしたが、この日が晴れて辺り一面急峻な草地でヤクを放牧しています。後で調べますと花の名所のようです。来るときは霧で何も見えませんでしたが、帰りは登り道で雲に隠れた四姑娘山らしい影を見ることができました。

成都から6時間でヒマラヤの麓に行け、しかも周遊バスで4300mまで登れ、自分の体力に応じて行動できます。四姑娘山にはできれば5日滞在し、天気の良い日に先ず長溝に行って四姑娘山を見て、次に双橋溝、体力があれば海子溝の順番でアタックすることをお勧めします。東京から成都経由で四姑娘山だけに来たという若者が居ましたが2泊では実質1か所しか行けませんので、時間の余裕をもってきていただきたい。

どうも金山の南側は雨が多く道も度々寸断されるようですが迂回路があります。北側の四姑娘山側は気候が安定しているようで、冬でも積雪は少なく周遊バスを運行しているので一般人でも入山可能なようです。

丹巴はタクシーで回っただけでしたが、巴底や巴旺の村落には民宿があり、1泊位は此処に泊まると面白いと思います。九寨溝も素晴らしいですが、黄龍より四姑娘山は楽で変化に富んでいます。是非行ってみてください。

2014年6月3日

長尾圭介


(写真は写した順に並べてアップしました。~Blog管理人)

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by zuixihuan | 2014-06-09 05:53 | 成都便り | Comments(0)